解析精度向上における実験の重要性
NX Nastranで振動解析を行う場合、正しいモデル化を行えば実機振動を高い精度で再現することができます。しかし、複数の部品で構成された構造物に関しては、解析結果が実験結果を精度良く再現しない場合があります。原因は多くの場合、実機が持つ部品結合部の非線形性やそれによる実験データの精度低下にあります。解析精度向上を目的に行うモデルコリレーションを前提に実験のポイントをご紹介します。
1) 実験データの精度向上
モデルコリレーションは実験データを衝(ショウ)に行いますが、もし、再現しようとする実験データの精度が低い場合、コリレーション精度も低下します。実験データの精度は具体的には「線形性の高さ」、即ちどれくらい非線形性を抑えたデータ計測ができるかによって決まります。一般的な振動解析は線形を前提としているため、非線形性の強い実験データは元来再現できません。解析精度を向上させるためには、線形性良好な実験データを得ることがはじめの一歩となります。
「実験供試体の前処理」に続く
過去の記事はこちらをご覧ください。