実測された振動をコンピュータで再現するとき、共振周波数は再現するものの周波数応答波形(伝達関数)で見ると波形の傾向が再現されないことがあります。たとえば、削りだし部品や鋳物部品など、単一部品では波形を再現するところが、複数結合すると波形が再現しない、といったケースです。このような現象は、部品結合部の減衰(構造減衰=損失係数)が波形のピーク周波数を変化させているために生じることが多いです。複数結合された系の共振周波数が実測値を再現していないということではないため、メッシュモデルではなく、その部品結合部に減衰要素を追加することで波形傾向が再現するようになることがあります。ご参考にしていただけましたら幸いです。

過去の記事はこちらをご覧ください。